尿瓶か我慢か。男のプライドをかけて | 富山県の治験体験談


takaさん(男性・32歳)の治験体験談

謝礼の金額 2万円
治験の日数 1泊2日
治験の種類 精神安定剤
病院の都道府県 富山県

 

参加しようと思ったきっかけ

大学生のときに楽に稼げるバイトがあると友人から誘われて一緒に受けました。
新薬の開発に貢献して人の役に立ちたいなどの思いは全くありませんでした。

リスクについて思ったこと

特にありませんでした。
副作用は出ませんでしたし、他の人もみんな何ともなさそうでした。

参加するまでの流れ

まず登録のために健康診断を受けました。
確か交通費名目で2千円程度支給されたと思います。
その後申し込むと希望の治験に参加できます。

美人の看護師さんが多くてドキドキしました。
健康診断の途中で「ちょっときてください」と急に一人だけ個室に呼ばれて「服を脱いで横になってください」と言われたときには「キタコレ!!」と思いましたが、単に前の検査で引っかかっただけで心電図の検査が追加になっただけでした。
残念。

トイレに行けないのがとにかく大変でした

前日は運動したりジュースやアルコールを飲んだりしないよう用にとのことでした。
タバコもダメです。

初日は昼前から参加してしばらくして血を採りました。
薬を飲む前の血です。

それから薬を飲んで時間ごとに採血します。
2泊3日でだいたい10回ぐらい採血があったと思います。
みんな後半は血が足りなくて看護士さんが大変そうでした。

私は血管が太くて血を採りやすいらしく美人の看護師さんに褒められました。
だからといって当然何もありませんでしたが。

部屋は男10人ぐらいの相部屋で、漫画が山ほどありました。

このとき参加した治験の薬が厄介なもので、「人によって副作用でふらつくことがある」というものでした。
実際には誰もふらつかないのですが。

もし転んで怪我をされるとデータが狂うとのことで、薬を飲んでから8時間ベッドの上で安静にしてくださいとのことでした。
8時間です。
これを聞いたときその場の全員が青くなりカイジみたいにザワザワしました。

当然薬を飲む前に全員トイレに行って準備万端で臨むのですがそんなことでは8時間の壁は簡単には破れません。
全員がモジモジしだします。

4時間が過ぎたぐらいでしょうか。
勇気ある若者が看護師さんに声をかけました。
「どうしてもトイレに行きたいです。ふらついたりしてないんでトイレ行ってもいいですか?」と。

看護師さんがちょっと待っててくださいと声をかけてどこかに行きました。
私は「ああ。医者の許可をもらいに行ってるんだな」と思いました。

看護婦さんは何かを持って戻ってきました。
「それではこれを使ってくださいね。カーテン閉めますね」と言ってカーテンを閉めました。
そうです。
持ってきたのは尿瓶でした。

私と一緒に参加していた友人は顔を見合わせ青ざめました。
私は「頼めば特例でトイレに行かせてくれる」とか甘い考えは捨てて、8時間必ず耐え切ると硬く誓いました。
そして膀胱を硬く閉じました。

結局勇気ある若者はすぐにカーテンを空け「やっぱりがまんします」と空の尿瓶を返していました。

幸い最後まで大部屋が水浸しになることなく8時間が経過し、順番に用を足しました。
水を全くのまなかった為、のどがカラカラになっていました。
友人と水で乾杯してお互いのファイトを称え合いました。

もう精神安定剤はやりません。

治験に参加してよかった点・悪かった点

良かった点はいい収入になった点です。悪かった点は特にありません。

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