高額報酬で有名な「治験」。でも参加しようと思っても、不安や心配など気になることはたくさんありますよね。
今回は独自に募集した80人の治験・モニター参加者の体験談をもとに、リアルな治験・モニター事情をご紹介していきます。
最大の報酬額は40万円、時給は2万3000円でした!
目次
参加理由「お金が必要だったから」が最多
男女比、参加地域
まず参加者の男女の内訳は80人中、男性が47人(58.8%)、女性が33人(41.2%)。
治験・モニターを受けた医療機関を都道府県別に見ると1位は東京都(45人)。半数以上が東京での治験に参加しています。2位は大阪府(12人)、3位は北海道(7人)、4位は福岡県(4人)と都市部での実施が多いようです。しかし他にも千葉県、神奈川県、埼玉県、兵庫県、愛知県、奈良県、京都府、奈良県、長崎県、熊本県など全国各地で行われています。
参加理由
参加者の多くは参加理由が「お金が必要だったから」。参加者には「会社を辞めてしまって時間があるから」「転職するまでのツナギ」という人が多くみられました。他の参加者も学生、主婦など比較的時間に融通が効く人が多いようです。
また高額な報酬がもらえるだけでなく「詳細な健康診断が受けられる」「自分が困っている症状の治験がある」など一石二鳥でオイシイと考えて参加している人も多く見られました。
治験のメリット・デメリット、副作用は?
よかったこと
- 「負担軽減費という『謝礼金』としてお金をもらえるため収入にはカウントされない。副業扱いにもならないという点についてもサラリーマンとしては良かった」(34歳男性/パッチテスト)
- 「健康に気を使うきっかけがつかめた。実際にアドバイスの内容通りに食生活を改善していくことができた」(37歳男性/中性脂肪を抑える健康食品)
- 「有効と思われるワクチンを打つことができた。病気の予防に有効な検査を無料で受けられた」(29歳女性/子宮頸がんのワクチンに関する治験)
- 「塗るように渡された化粧品の使い心地がよく、お肌がしっとりしたこと」(49歳女性/化粧品モニター)
やはり「高額な報酬を簡単に得ることができる」をメリットに挙げている人が多数でした。他にも「健康に気を付けるようになった」「困っていた症状が緩和された」など、治験が健康面でプラスに働いた人も多いようです。
悪かったこと
- 「1回の通院で5回ほど採血されたことです。腕が良いベテランの看護師さんならばすんなりと採血をしてくれるのですが下手な看護師さんに当たると痛みに耐えながら我慢しなければいけませんでした」(35歳男性/アルコール分解を促進する飲料に関する治験)
- 「検査項目が多いと時間が掛ります。朝食抜きの時もあり、水は飲めるけどふらふらに…」(55歳女性/関節リュウマチ患者を対象とした治験)
- 「A型肝炎ワクチンとのブラインド比較試験だったので、どっちが投与されるか最後までわからなかったです」(29歳女性/子宮頸がんのワクチンに関する治験)
- 「自由時間があり過ぎてやる事がないという点です」(30歳女性/美容系サプリのモニター)
一番多く挙がっていたデメリットは「採血の多さ」。採血しにくい体質の場合「ひたすら水を飲んで採血しやすいようにしていた」という人も。また採血の回数が多く、数週間も腕に注射針の跡が残ってしまった、という声も少なくはありませんでした。
また治験に参加してからは「時間がありすぎる」と嘆く人も多く、ヒマつぶしが出来るパソコンやゲーム等を持っていくのは必須のようです。
副作用・リスク
体験談によると「副作用があった」と回答したのは80人中3人。その内容は、
「便秘解のサプリが効きすぎて下痢気味になった」
「化粧水が肌に合わず二の腕が痒くなってしまった」
「リップクリームが合わなくて、唇ががさがさになった」
と、健康に深刻な影響を及ぼしたものはありませんでした。治験を辞めると症状は治まり、後遺症はまったくないようです。
ちなみに治験に参加することで考えられるリスク(副作用など)は、事前に医師から伝えられます。例えば肝臓の新薬に関する治験を受けた人は、肝臓に関する薬で重篤な副作用の出現率は0.01%と伝えられました。「その程度のリスクなら…とあまり気にしませんでした」と参加し、実際に副作用もなかったとのこと。この数字をどう感じるかは人それぞれですが、納得できなければ参加しないという選択を選ぶこともできます。
他の参加者からも「いつでも中断することが出来ると言われてホッとした」「しっかりした医療機関で、医師の診断のもと行うから安心」という声が上がっています。中には「健康的に影響はなかったけど不安だったから中断した」という人もいました。
男性「血圧の治験」、女性「化粧品モニター」が人気
男性に人気の治験・モニター
男性が参加した治験で一番多かったのは「血圧に関する治験」「トクホなどの食品モニター」(各5人)でした。次いで「化粧水のアレルギーに関する治験」「精神疾患に関する治験」(各4人)と続きます。他にも糖尿病など生活習慣病、心臓や肝臓などの特定疾患に関する治験から、痛み止め、目薬の治験まで幅広い内容の治験に参加しています。
女性に人気の治験・モニター
一方女性が最も多く参加していたのは「化粧品・皮膚に関する治験」(13人)でした。次いで「婦人科系疾患に関する治験」「サプリメントのモニター」(各4人)、「便秘に関する治験」(3人)。女性特有の疾患やお悩みを解決するような治験・モニターに参加する人が目立っています。投薬・服薬の治験より、より副作用が出る可能性の低いモニターを選ぶ人が多いようです。
日程・報酬について
治験は1回通院するだけのものから長期間入院するもの、月の1~2回通院を数か月行うものまであります。基本的に拘束時間が長くなるにつれ、報酬(軽減負担費)も多くなっています。
通院の場合、支払われる報酬は1回につき大体3000~1万円。相場は6000~1万円程度です。
入院の場合はほとんどが日給換算で1万~2万円程度に設定されています。ちなみに代表的な高額報酬は1週間の入院を3回行って40万円というもの。他にも13泊14日入院して32万円(日給換算で約2万3000円)という治験もありました。
また軽減負担費の支払いは「手渡し」が多数でした。すぐにお金がもらえるのは魅力的ですよね(一部「後日振込み」という人も)。
治験にはヒマつぶしできるものを持っていこう!
通院の場合
指定された日に医療機関に行き検査を行うだけ。花粉症の治験であればスギ花粉エキスを口に含むだけ、リップクリームのモニターはリップクリームを塗るだけ等、誰にでもすぐできる内容ばかりです。
拘束時間は2~3時間程度。「待ち時間があって大変だった」という声も少なくはありませんが、「20~30分で解放されて楽だった」という人もいます。拘束時間は治験の会場や内容によって変わります。
入院の場合
検温・血圧測定・採血などの診察をし、投薬・臨床試験を行います。どの治験でも、食事時間や入浴・就寝時間が決まっており、喫煙・飲酒・外出はほぼ禁止。しかしそれ以外は何をしても自由です。パソコンを持ち込んでネットサーフィンする人、読書をする人、ゲームをする人、資格試験の勉強をする人など各自思い思いに自由な時間を過ごしたようです。
コメントを残す